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着物の柄は季節でどう違う?

着物の柄は季節ごとにルールがある?年を通して着られる柄はあるの?

着物には、日本の四季折々の花や風物詩が描かれているものもあります。

そういった季節を感じる着物の柄は、非常に華やかで粋を感じる一方で、いつ着れば良いのか迷ってしまう方もいるようです。

ここでは、着物と季節の柄について詳しく説明していきましょう。

 

季節に合っていない柄の着物はマナー違反?

季節に合っていない柄はマナー違反になる?

SNSやブログなどを閲覧していると、季節と着物の柄が合っていないのはマナー違反だという声を度々見かけます。

例えば、「つぼみの時期に満開の桜柄はNG」「まだ季節は夏なのに、秋の紅葉柄は早すぎる」などです。

このように、着物の柄と季節が合っていないと、周囲に失礼だという印象を抱いている方は多いでしょう。

しかし、着物のマナーとして「季節に合った柄を必ず着なくてはならない」といった明確な決まりはありません。

そのため、過度に気にする必要はないといえます。

 

ただし、寒い季節に夏の柄があしらわれた着物を身につけていると、違和感を覚える方もいます。

また、高齢な方の中には、季節と柄を合わせるのは当然のことだと考えている方もいるようです。

あなた自身が粋に着物を楽しむためにも、柄と季節を合わせておいた方が無難だといえます。

 

着物の柄は季節の先取りが基本

こちらも着物に関する厳密なルールやマナーではないものの、着物の柄は少し先取りすることが基本だといわれています。

おおよそですが、半月から1ヶ月程度先の季節モチーフを着用すると良いでしょう。

ただし、一部の柄は季節に合っていたとしても、着用シーンを慎重に選ばなくてはいけないケースもあります。

例えば冬の終わり、2月頃のモチーフに用いられている、椿の花が挙げられます。

椿の花はポロリと一気に落ちるため、お祝いの場では不向きだという説があるためです。

ただ、華やかな印象であれば気にしないという方も多いので、心配な場合は同じ場で着物を着用する予定の方や、スタッフに質問すると良いかもしれません。

 

なお、着物を着る際は、アクセサリーにも気を配りましょう。

着物とアクセサリーの合わせ方については、こちらからご確認頂けます。

着物にアクセサリーは合わせちゃダメ?着物に関するルールやマナー

 

春夏秋冬・季節の着物の柄とは

各季節で使える着物の柄について

それでは、各季節に応じた着物の柄についてお話します。

同時にいつから柄切り替えるのかについても解説していくので、ぜひ参考にしてください。

季節別・着物の柄:春

春の柄:桜・藤・桃・牡丹・菖蒲など

春はさまざまな花が咲き誇る季節であるため、豊富な着物の柄から選ぶことができるでしょう。

 

代表的な春の花が「桜」です。

日本を代表する春の花である桜は、着物にも多く用いられています。

先ほどの季節は先取りが基本という話をしましたが、桜を着用するならば2月後半から3月後半までがベストです。

さらに1月も後半には蕾の状態の桜、そして3月後半頃には満開の桜、そして実際に桜が咲き始めたら桜吹雪のモチーフを合わせるとストーリー性を演出することができそうです。

 

また、春をあらわす柄の中に「藤」があります。

藤は4月から5月ぐらいに咲き始めるため、桜と入れ替わるタイミングで使用できる着物の柄です。

しかし、藤の柄の中でも「下り藤」は一度盛り上がったものが下がっていくというイメージがあり、お祝いの場には不向きとする説もあるようです。

 

季節別・着物の柄:夏

夏の柄:アサガオや紫陽花・水流・雲など

梅雨前の新緑の季節には、梅雨時期の代表的な花である紫陽花柄がおすすめです。

また、着物の柄は先取りが基本ですが、アサガオに関しては夏真っ盛りに着るのが良いでしょう。

アサガオは着物だけでなく、浴衣でも取り入れやすい柄です。

 

また、夏には植物モチーフだけでなく、涼しげな水の流れや雲なども良いでしょう。

そして夏の柄には、古くから伝わる季節のルールから外れた楽しみ方があるのをご存知でしょうか。

夏真っ盛りの時期に、あえて南天や雪といった冬モチーフを用いた着こなしが現代にも残っています。

これは着物を日常着として身につけていた頃の女性が、少しでも涼を求めて始まったといわれています。

 

季節別・着物の柄:秋

秋の柄:もみじ・銀杏・菊・桔梗・ブドウ・月など

秋には、もみじや月などわかりやすいモチーフがたくさんあります。

もみじのモチーフには銀杏や松葉といった秋の風物詩が同時に描かれていることも多く、秋の訪れを演出できるでしょう。

 

紅葉が始まるシーズンは、地域によって大きく異なります。

いつから秋の装いにすれば良いのか迷ってしまう方もいるかもしれませんが、遅くとも9月下旬には秋の着物に切り替えていきましょう。

中でも桔梗の柄は残暑の厳しい8月中旬頃から着こなすことで、涼しげな秋を先取りしてくれるかもしれません。

また、秋には茶色やからし色を地とするシックな着物も多く登場します。

 

季節別・着物の柄:冬

冬の柄:椿・松竹梅・南天・雪・冬景色など

冬の代表的なモチーフとしては「南天」が挙げられます。

「災いや難を転ずる」という語呂合わせから、南天の柄は厄除けとしても使われています。

縁起の良い柄なので、お祝いの席にもおすすめです。

南天は10月後半から12月くらいまでに着るのが良いとされています。

 

そして、お正月にはおめでたいモチーフである「松竹梅」がぴったりです。

基本的には通年着られる柄なので、1枚持っておくと重宝するかもしれません。

1月から2月、春の前には赤い椿の色がレトロで可愛らしいと人気を集めます。

 

なお、京都にはさまざまな観光スポットがあり、春夏秋冬楽しめます。

京乃都がおすすめする散策スポットについては、こちらをご確認ください。

京都を着物で観光しよう!散策向きのおすすめスポット7選!

 

一年中着られる着物の柄とは

通年着られる着物の柄について

着物には着用する季節をある程度限定する柄がありますが、一方で通年着用することができるものもあります。

一年中着られる着物の柄として代表的なものをいくつかご紹介していきましょう。

吉祥文様・有職文様・唐草・唐花

日本の伝統的な文様の中でも、めでたいものや縁起の良いとされるものは年間を通して着用することができるでしょう。

この中でも「吉祥文様」は礼装用の柄としても用いられており、花嫁衣装や格式高い着物などにもあしらわれています。

吉祥文様にはさまざまなモチーフがあり、代表的なものに松竹梅が挙げられます。

その他にも鳳凰や龍、鶴や亀といった文様も吉祥文様に含まれており、着物店でも目にする機会が多いかもしれません。

 

蝶々の柄

蝶々をイメージしてみると、春の花を同時に思い浮かべるかもしれません。

しかし、蝶々は年間を通して着用できる着物の柄です。

単体で蝶々をあしらった着物のデザインもありますが、先ほどお話した吉祥文様と同時に描かれている柄も見られます。

青虫から美しい蝶へと大きく変わる姿は成長と不死のシンボルにもなっており、さまざまな場面で着用できるでしょう。

ただし、蝶々と一緒に季節の柄が描かれているのであれば、基本的にはその季節に合わせて楽しむことになります。

 

複数の季節が混在している柄

着物の中には1枚に一つの季節ではなく、複数の季節が描かれているデザインもあります。

例えばお正月に着ることの多い松竹梅と春の桜が一緒になっている柄であれば、一年を通して着用することができるでしょう。

 

着物の柄だけではなく、色でも楽しめる

ここまで柄についてお話してきましたが、着物は色でも楽しむことができます。

春になればパステルカラーの軽やかな色を身につける方が増え、冬になるとシックな色合いが増えていくでしょう。

それはそれでとても素敵なのですが、あえて逆の色を身につけるのも粋なものです。

例えば花が咲き乱れる暖かい季節にはシックな色合いを身に着けたり、花が少ない寒い季節には華やかな色を選んだりすることで、シチュエーションと着物が非常に映えます。

着物の地の色に関しては式典で着用する際を除いて、ほとんど決まりはありません。

 

季節を意識した柄で、着物をもっとおしゃれに着こなそう

着物をより一層楽しむために

着物には、日本の美しい四季の移ろいをあらわすさまざまな柄があります。

必ずしも季節が合っていなくてはいけないといった厳格なルールはないものの、せっかくならば柄と合わせて着物をおしゃれに楽しみましょう。

季節の柄は半月から1ヶ月程度を先取りすると粋だといわれています。

他にも、季節を問わず一年中着用できる柄もあります。

自分好みの柄を見つけて着物を楽しんでください。

 

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