【女性向け】浴衣の着方から着こなしのポイント、注意点までを紹介!
2023.06.08
着物について
浴衣の着方は、覚えておくと便利です。
浴衣は着物レンタル店でスタッフが着付けてくれますが、万が一、着崩れてしまうことは考えられます。
また、家族や親戚から譲ってもらった浴衣を着て、お祭りに出かける機会もあるかもしれません。
そんなときに備えて、浴衣の着方を学びましょう。
ここでは、女性向けの浴衣の着方について、着こなしのポイントや注意点まで詳しく解説します。
目次
まずは浴衣を着るために必要なものを揃える
浴衣を着る際には、下記のものが揃っているか確認しましょう。
- ・浴衣
- ・和装用の下着
- ・和装用の肌着(肌襦袢や和装用スリップ)
- ・タオル(2~3枚)
- ・腰紐(2~3本)
- ・伊達締め
- ・帯板
- ・半幅帯(もしくは兵児帯)
- ・下駄
- ・和装用バッグ
浴衣の下に着る下着、肌着は、和装用のものがおすすめです。
普段使用している下着でも良いのですが、着こなしに影響することもあるため、美しい着こなしを目指すのであれば和装用の下着や肌着を揃えると良いでしょう。
また、着物を固定してくれる着物クリップや着物ベルトなどのアイテムも、揃えておくと便利です。
浴衣を着る流れ
必要なものを揃えたら、浴衣の着付けに入りましょう。
ここでは、具体的な流れを解説します。
下準備
浴衣を着るときには、ある程度広い場所を選びましょう。
また、浴衣を片手で押さえたまま着付ける場面があり、動き回ると着崩れが心配です。
必要なものは、テーブルの上のように、手が届く場所にまとめて置いておきます。
そして、浴衣を着る際の邪魔にならないように、ヘアセットやメイクは先に済ませておきましょう。
和装用の下着と肌着を着用
和装用の下着と肌着を着用します。
その後は、腰回りのくびれを中心にタオルを当て、肌着の帯で固定してください。
浴衣は寸胴な体型の方が見栄えし、着崩れしにくくなるため、タオルで体の凹凸を調整する必要があります。
浴衣を羽織る
肌着の上に浴衣を羽織って、袖を通しましょう。
浴衣の背中側には、縦にまっすぐ「背縫い(背中心)」という線が中心を通っています。
背縫いが背骨の位置とずれると着崩れる原因になるため、ぴったり合わせましょう。
片手で衿を合わせて持ち、もう片方の手で衿の背縫い部分をつまみ、背骨の位置と合うようにすると上手く調整できます。
衿先を持って丈の長さを調節
浴衣は基本的に、丈が余ります。
それぞれの衿先を持って、くるぶしに裾がかかる程度に持ちあげてください。
浴衣を体に巻き付ける
くるぶしに裾がかかった状態をキープしながら、浴衣の右手側を体に巻き付けます。
衿先を持った右手を、左わきに持っていくイメージです。
衿先を持った右手は左わきに置いたまま、浴衣の左手側も、右わきに持っていくようにして体に巻き付けます。
腰紐で固定する
浴衣を両脇で固定し、浴衣の内側から右手を出します。
右手で、崩れないように浴衣の前側を押さえ、左手で腰紐を取ります。
そして、腰紐の真ん中を体の前に、腰骨の上に持っていきましょう。
その後、腰紐を背中側に回して交差させ、前で結んで固定します。
腰紐の余った部分は腰紐にまとめて挟みます。
おはしょりを調整する
腰紐を結んだ段階では、腰から上の布が前側も背中側も余っています。
着崩れてシワが寄っている状態なので、余った部分を調整しましょう。
浴衣の側面には、「身八つ口」という調整のための穴が開いています。
そこに両手を差し込み、前側(おはしょり)や背中側の布が、均等に腰紐に被さるように整えましょう。
衣紋を抜く
衿の首回りを「衣紋(えもん)」といいます。
衿を合わせて片手で持ち、衣紋の中心を持って、後ろ側にゆっくり引きます。
2~3回に分けて引き、うなじから拳一つ分ほど離しましょう。
うなじを見せるようにする着こなしで、この作業を「衣紋を抜く」といいます。
衿元を調整して腰紐で固定
衿元を、喉のくぼみが見える程度になるよう詰め気味に調整し、もう一つの腰紐で衿の位置がずれないように固定します。
位置がバストの下というだけで、結び方は腰紐と同様で構いません。
ただ、ほどきやすいように結び目は右わき下のように、利き手側に寄せるのが良いでしょう。
伊達締めを巻く
胸紐と腰紐を隠すように、伊達締めを巻きます。
おはしょりは、伊達締めの下に指1~2本ほど見えているのが綺麗です。
伊達締めも、前から後ろへ持っていって交差させ、前側で結びます。
おはしょりや背中のシワを伸ばす
伊達締めの内側に指を入れ、両脇に向けてシワを伸ばしましょう。
前と後ろがしっかり伸びていると、美しく見えます。
これによって、身八つ口が隠され、肌着が見えにくくなる効果もあります。
半幅帯(兵児帯)を結ぶ
伊達締めの上に帯板を取り付け、その上から半幅帯を結びます。
帯の結び方はさまざまにありますが、初心者でもできる簡単な結び方は、「文庫結び」です。
文庫結びの流れ
- 1.帯を50cmほど手に取って、その部分だけ幅を半分に折ります(手先を作る)。
- 2.クリップで固定した手先を左肩にかけ、帯をお腹周りに2周、しっかり巻き付けます。
- 3.2周目の帯は、脇腹の辺りから帯の幅を折っていき、正面から見て三角形ができるようにします。
- 4.三角形にした帯の上から手先を一周させ、ひと結びにします。
- 5.手先を右肩にかけ、帯の残った部分(たれ)を、肩幅に合わせて三つ折りにします。
- 6.たれの中心がM字になるように折り、その部分を手先で巻いて蝶々の羽を作ります。
- 7.手先を半幅帯の内側に入れ、はみ出すようなら再度折り返して帯の内側に入れます。
- 8.羽の形を整えて、後ろに回せば完成です。
子供用の「兵児帯(へごおび)」も、昨今では華やかなものが登場しており、女性が半幅帯の代わりに結んでもオシャレです。
浴衣の着こなしポイントや注意点
座るときは両膝を揃えることを意識
浴衣は足元が開きやすく、そこから着崩れてしまいがちです。
椅子に座る際は、両膝を揃えて、まっすぐ腰を下ろすようにすると着崩れを防ぐことができます。
椅子には浅めに腰かけることで、帯が椅子に当たってずれるようなことも防ぎ、美しく見えます。
袖口を押さえることを忘れず
浴衣の袖口は意外と大きいです。
そのため、食事の際に手を伸ばすと、テーブル上のものを倒してしまったり、浴衣を汚したりする原因になります。
腕を伸ばす場合は、もう片方の手で袖口を押さえるようにしましょう。
それによって、浴衣の袖口から下着や肌着などが見えることも回避できます。
右前と左前を間違わないように
着物には、右前と左前という言葉があります。
右前は、浴衣の右側を先に巻き、左側をその上に重ねるという合わせ方です。
左前はその逆で、お葬式の際の合わせ方として知られています。
普段浴衣を着る際は右前が正しい重ね方なので、左前と間違わないように注意しましょう。
和装用の下着や肌着がないときは?
和装用の下着や肌着がない場合は、普段使っている下着や肌着を使用しても問題ありません。
ただ、浴衣は寸胴な体型に合わせた方が美しく見えるため、下着はバストサイズを調整するタイプは選ばないようにしましょう。
また、露出を避けるために肌着も必要ですが、Tシャツのような形状だと衿元から見えて浴衣の雰囲気を損なうことがあるため、注意が必要です。
浴衣を着こなして京都の町を歩こう
浴衣の着方を覚えれば、いざという時に役立ちます。
万が一着崩れてしまったときや、自分で着つけて外出したいという時にも安心です。
自然と自信をもって歩けるようになり、京都の町も一層楽しく歩けるでしょう。
着物レンタル店の京乃都では、6~9月に浴衣もレンタルしています。
観光スポットから近い場所に3店舗ご用意していますので、ぜひ足をお運びください。