
京都で夏の風物詩とされる「五山の送り火」。
毎年8月16日に、京都を囲む山々に炎で描かれた文字が浮かび上がる行事です。
みなさんも一度は映像などで見たことがあるのではないでしょうか?
今年は金曜日ですが、平日でも見物客は日本全国から集まり、10万人を超えると言われています。
今回は、この京都の名物「五山の送り火」についてご紹介します。
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そもそも五山の送り火って何?
京都を囲む山々に炎で「大」、「大」、「妙・法」の文字と、「鳥居」、「船」の形を表現するもの。
お盆をすぎ、お精霊(しょらい)さんと呼ばれる死者の霊をあの世に送り出す意味があるそうです。

ただ、この起源は諸説あり、はっきりしたことがわかっていないと言われています。説は3つあり
- 平安初期の空海
浄土寺が火災にあい、山上に飛来した本尊阿弥陀仏が光明を放った。それを空海が描き納めた説。
2.室町時代の「足利義政」
銀閣寺でも知られる足利義政が子供を亡くした後に行った説。
3. 江戸初期「能書家・近衛信尹」
1662年に刊行された書物『案内者』にて「大文字は三藐院殿(近衛信尹)の筆画にてきり石をたてたりといふ」と記述があります。つまり能書家の近衛信尹の説。
ただ、どれも憶測でしかないというのが現状です。
ちなみに、「五山の送り火」というのに文字や形が6つあるのは、「妙」と「法」である松ヶ崎西山・東山をひとつと数えるため。「妙法」と呼ぶこともあります。
五山の送り火、それぞれ何時から?

それぞれの炎は20:00から時間差で点火されていきます。
時間はおよそ30分。それぞれ以下の順です。
「大文字」 20:00〜
「妙・法」 20:05〜
「船」 20:10〜
「左大文字」 20:15〜
「鳥居」 20:20〜
送り火のそれぞれの特徴を解説!

「大文字」(東山の如意ヶ嶽)
メインの送り火。昔から護摩木に名前と病名を書いて、それを焚いてもらうと、その病が治ると言われています。
また、消炭を持ち帰り粉末にして飲むと持病が治るとも。
「妙」(松ヶ崎の西山)、「法」(松ヶ崎の東山)
ふもとにある松ヶ崎の人々はこの送り火で精霊を送ります。
「妙」の西山では読経が行われ、送り火が終了すると涌泉寺で「題目踊」、「さし踊」を行います。
「船」(西賀茂の船山)
当日の早朝に山のふもとから西方寺に約50人が集まり、割木などを山頂に運び準備します。点火中は西方寺の住職が読経。
送り火が終わると西方寺にて読経と六斎念仏が行われます。
「左大文字」(大北山の大文字山)
当日の19:00頃に法音寺門前通りで門火を焚き、先祖の霊を導きます。境内にて護摩木が焚かれ、霊をなぐさめる点火法要を行ったのちに、その火を松明に移し、山頂にもっていき点火します。
「鳥居」(嵯峨鳥居本の曼荼羅山)
当日の朝8:00頃、嵯峨鳥居本町の集会所から山上へ薪が運ばれます。夕方に点火準備が行われます。
大文字がよく見える場所ってどこ?

初めての方はよく全部見えるところを探しがちですが、全部見ようと思うと、炎が小さく、何よりもパチパチと音を立てる迫力を感じられないため、どれかに絞って体験するのがオススメ。
初めての方ならまずは「大文字」を見たいですよね。よく見えるおすすめスポットは下記です。
賀茂大橋
「大文字」が正面を向いている地域。「妙・法」も見ることができます。京都駅からアクセスしやすいのも人気。
鴨川べり、京都御苑
「大文字」が見える定番スポット。川風にあたりながらゆったりロマンティックに見ることができます。
高野川べり
「大文字」の正面で人が多い出町柳駅周辺。ただ、この川べりは少しゆったりしており「法・妙」も見ることができます。
吉田山公園
「大文字」を正面に見ながら、迫力があります。「左大文字」「妙・法」も見ることが可能です。山頂へは暗い道を歩くので早い時間から行くのがおすすめです。
五山の送り火、行くなら浴衣で!

パチパチと燃え上がる炎、京都の風物詩を体験するなら、浴衣姿ならより思い出深いですよね。
でも、東京など遠くから行くのに浴衣を持っていくのは荷物になります。
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さらにオプションでヘアセットや髪飾りなどもあるので、非日常の和装をぜひお楽しみください。
令和元年の一度きりの夏をより思い出深く!
新年号に変わり、元年の夏は人生で一度きり。貴重なこの夏の計画はもう立てましたでしょうか?
彼氏や旦那さん、友人と一緒に日本の伝統に触れてみることで、令和元年の夏が一生忘れない思い出になること間違いなしです。
さらに、そんな思い出を写真に収めるなら、浴衣姿が良いのでは?
好きな柄を選んだり、いつもとは違うヘアアレンジをやってみたり。その準備さえも、楽しい思い出にきっとなるはず。